「ぞおっき山オオムラサキの森」保全活動始動

オオムラサキを育む新緑の大間々。
オオムラサキを育む新緑の大間々。

 写真は昨夏から訪ねている、赤城のオオムラサキが育つ森です。昨日、この森の保全活動をする「里山オオムラサキの森を守る会」が、「NPO法人 オオムラサキを荒川の大空にとばす会」の安田さんを代表として発足しました。

 このぞおっき山は、

 1.野生のオオムラサキに会える! 森の生き物の宝庫!

 2.沢ガニがお散歩! 水辺の生き物の宝庫!

 3.森で遊び、学ぶ。冒険・活動の場の宝庫!  として、子どもたちが自然に触れあい、この自然を未来につなげていくようにするために何をすべきかを、群馬県と東京の人々が手をつなぎあって考える場所として、活動していきます。

 今後、ホームページからの呼びかけなどが始まると思いますが、ひとまず産声が上がったことをお知らせします。私は本年4月と5月に訪問し、活動の基礎作りのお手伝いをしながら、手元で5匹のオオムラサキの越冬幼虫を育ててきました。

 生き物の飼育は、とどのつまりはエサと排泄物の管理につきますが、オオムラサキは終令幼虫の時期が長く、ケージ飼育の場合、ケージ内の幼虫数が多いと食草が不足し、育ちきらずにどんどん蛹化してしまいます。また、オオムラサキを飼育ケースで飼育する場合は、通気性などの問題があり、本などの記載を調べると、戸外の木にネットを掛けて飼育する方や、鉢植えに網を掛けて飼育する方法が記載されています。

 アトリエでは試行錯誤しながら切り枝飼育をし、ケースを作り、飼育ネットを作り、食草を如何に水揚げさせるかなど、日々工夫に工夫を重ねながら、変態の観察を続け、蛹化、羽化へとつなげ、これからどう子孫を残すか・・・と、考え中です。

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コメント: 3
  • #1

    しろたん. (火曜日, 07 6月 2011 22:37)

    こんばんは。

    オオムラサキは、私が住む滋賀県では絶滅危機増大種として選定されています。子供の頃にはカブトムシ採りに行くと樹液に集まっているのをたまに見かけましたが、私の中では雑木林のチョウと言えばキタテハです。

    今ではカブトムシをはじめ、ムシはショップでいろいろ買える時代で、どんなところでどんな生態をしているか知らない子供もいるんですよね。私の甥は小さい頃、怖がってカブトムシもつかむことができませんでした。

    最近は里山が見直されてきていますが、一時的なブームに終わらないでほしいものです。何もしない手つかずの状態では里山ではなくなっていきます。昔のように薪とするために雑木を切ったり、下草を刈ったりするようなことがないので、「守る会」などの活動が大切になってくるのかもしれません。

    「生き物の飼育は、とどのつまりはエサと排泄物の管理」
    おっしゃるとおりです。生き物を「飼う」のが好きな人はこれが全く苦にならない。その管理は嫌いだけれど、生き物は好きという人もいます。私は当然、前者です。

    お仕事大変ですが頑張ってください。「よくわかる生物多様性」のみならず、いろいろ楽しい本を出してください。楽しみにしています。

  • #2

    中山れいこ (水曜日, 08 6月 2011 00:18)

     ウワー滋賀県の方ですか・・・! 何だか嬉しい。
     私は、年1回くらい琵琶湖博物館の中井先生をお訊ねしています。そして、浦辺美佐子氏(滋賀県立大学準教授)や、大阪教育大の近藤高貴教授(私は、氏の淡水貝類研究会の会員です)と、お会いすると県立滋賀大学学長であられた日高敏隆先生が、まだ側に居て下さる気になるのでホッとします。
     昨年は、今森光彦さんのアトリエのそばにひろがる棚田を拝見しに行きました。もっとも、残念なことに私の日程が合わず、当日今森さんはお留守でしたが・・・
     そして、不耕起の田んぼを東近江市まで拝見しに行きました。

     第1巻には、滋賀県の棚田や田んぼの写真を使いました。関東とは、緑の感じが違いました。山がまだあまり荒れていない・・・
     中井先生によれば、東京とは荒廃の度合いが10年ずれているそうです。

     里山は、民地ですから、その場所にお住まいの方々が、山や林を使わなくなれば荒れます。東京近郊には、シノダケやモウソウダケで埋もれてしまったり、枝打ちをしないので、真っ暗森になった山が多いのです。
     どういう形で、都市の人間や地元の企業や大学生などが参加すれば山が維持できるのか・・・。昭和30年代のまだ山が生きていた時代を知っている、団塊の世代が年老いてしまう前に試さなければ、林床の植物、生き物、土壌環境が破壊されます。
     私もできる限りのことをしたいと思って、都市公園で行政と協働し、バタフライガーデンや、在来タンポポガーデンなどを構築し、保全活動をして、次世代につなげていくための努力をしています。

  • #3

    bluerose (水曜日, 08 6月 2011 12:37)

    先生の観察されて描き出された生き物たちとその食性としている植物群とを双方を行き過ぎないで活動したいと思っています。これからも宜しくご教示・御指導のほどお願い致します。