白内障手術 術後3ヵ月

この夏に取材した天蚕農家の機織機。昨夏、この織機を天皇、皇后両陛下がご覧になられたことでしょう。群馬県中之条。千と千尋の神隠しの建物のモデル、四万温泉・積善館の本館も見学しました。
この夏に取材した天蚕農家の機織機。昨夏、この織機を天皇、皇后両陛下がご覧になられたことでしょう。群馬県中之条。千と千尋の神隠しの建物のモデル、四万温泉・積善館の本館も見学しました。

 人間の目と脳の関係は、とても上手にできているのだと思います。目に人工物のレンズが入り視界が開けることは、素晴らしいことです。

 しかし、目の前30cmの10cm角内での視線の動きに脳を慣らせることに悪戦苦闘。そして目を外して大きな画面を見る・・・ ことのくり返しは、脳が疲れて・・・ 

 物書きには、24時間思考、48時間思考、72時間思考という物があると思います。いわゆる徹夜作業で、脳を纏めていく・・・ 今、これができなくなりました。視力の補正に使う脳が非常に煩雑になって疲れ果て、有無をいわさず安めという命令が出る・・・、長く馴染んできた眼精疲労でも、過労でもない。突然真っ白い時間がやってくる。1日に6時間は寝なさいと・・・。当たり前のことですが・・・。詰めて考えたいときには唸ります。思考を続け、1か月か2か月思考を煮詰めていると、寝ている内に解決策がやってくる・・・ みたいな脳の使い方はただ今休業中。

 もしかするともうこの思考法は私の脳の中に、無いのかもしれません。つまりそれは、一目でも編めば終わっていく編み物のような思考法。これからは、もう少し思考から離れて、糸つむぎ・精錬・染色・糸かけ・・・手順をくり返して機を織る。そんな思考法に変えるべきなのかもしれません。

 

 術後3ヵ月、完璧な手術と治療のお陰で、目は全く問題はなくなっているようです。 あと40年使えるレンズ。日野原先生のように100歳を超えて仕事をせねば・・・

 私は、脳を慣らしましょう・・・

 

 子どもの時からずっと憧れていた機織り・・・、今年は絹を深く考えて織機のある環境にたくさん出合いました。脳の中を整理して、トントンからりと心地良く作品を織り上げたいと思います。