新しい創傷治療

 「創傷・熱傷の湿潤療法」を広めた夏井 睦(なつい・まこと)医師のホームページに、私がこの4年間で上梓した10冊の本が紹介されています。

http://www.wound-treatment.jp/

 心して見ないと、傷の頁は恐いと思いますが、自分や家族に火傷などの傷を残さないために、一度キッチリご覧頂くと人生の助けになる頁です。

 夏井先生は、今年存命なら100歳の亡母の在宅介護中、褥瘡やオムツかぶれを掻いたことで悪化する傷に、自己責任で対処していた「開放性湿潤療法(当時はラップ療法と言ってました)」についての質問や、拙書『かえるよ!カイコ』(リブリオ出版)関連で研究したシルクやシルク製品に対して忌憚のないご意見を頂きました。

 

 ラップ療法に対しては、色々とご意見がありますが、私は、日々の調理中などにうっかり火傷した時などは、水道でぱーっと冷やして手短な場所にある食用油を塗ってラップを巻いて、そのまま調理を続けます。いつの間にか痛みも取れ、後片付けする頃には痛みもない程度の火傷ですが、おろおろと軟膏をつけたり包帯を巻いたりせず、とにかく水で冷やして、空気を遮断し、痛ければラップの上から更に冷やしながら調理や食事を続けますが、ラップ療法を知ってから水ぶくれにならなくなりました。

 調理中にうっかりする火傷で多いのは、1cm×0.5cmくらいの小さな火傷ですから、水ぶくれになろうがなるまいが、何をしても同じと思うかもしれませんが、水ぶくれになれば家事に支障をきたしますから、ビックリしていないでどんどん冷やすことが大切だと思っています。

 大きな火傷には、自己責任で出来る範囲を考えて、手に負えなさそうだったら、水で冷やしてハクワセをぬりラップで包み、冷やしながら夏井先生のホームページで湿潤治療関連の医師リストを調べて駆け込みます。

 プラスモイスト(夏井先生が開発した創傷被覆材)で覆える範囲なら、とにかく冷やしてからハクワセとプラスモイストで治療し、病院が開いている時間に診ていただいて、あとのことを教わればよいと思っています。

 

 2012年4月から、夏井先生のご勤務地は練馬光が丘病院 傷の治療センターです。

 昆虫少年であられたとのことなので、目の前に拡がる都立光が丘公園は、良いフィールドになると思います。

 光が丘公園は、私たちもチョウなどの観察地として季節ごとに訪ねる公園です。